「棚卸し」はなぜ大事なのかについてまとめてみました。
なぜ「棚卸し」をやるのか
「棚卸し」とは決算日時点の在庫の数、つまり売れ残りを数えることです。
売れ残りの数を数えることで、
単価×数量=在庫を計算することができます。
たとえば、
100仕入れれば原価(経費)は100です。
150ですべて売れれば、
売上150-原価(経費)100=利益50
と計算できます。
ところが半分売れ残りがあったとするとどうでしょう。
売上75-原価(経費)100=利益△25
と赤字の結果に。
そこで売れ残りについては「商品」といった資産に振替えて、翌年に繰り越すのです。
100の仕入れのうち、売れ残り50を原価(経費)から除くことで
売上75-原価(経費)50=利益25 と計算できます。
このように棚卸しによって、経費と利益、そして税金も変わってきます。
仕入れ(売上原価)か消耗品費(販売費)か
その棚卸しで変わってくる経費に仕入れ(売上原価)か消耗品費(販売費)かという前提があります。
切手や事務用品は消耗品です。
売るために仕入れたものであれば、その売れ残りは商品(資産)にしなければなりませんが、消耗品ではそうとも限りません。
未使用分があれば貯蔵品(資産)ですが、毎年同じような量で毎年消耗品費にしてるのなら、経費のままでいいというルールがあります。
仕入れ(売上原価)か見本品費(販売費)か
仕入れたものを見本品や試用品、サンプル品としたものも仕入れ(売上原価)でいいのかという疑問もあるかもしれません。
売りものでなければ、仕入れ(売上原価)ではなく、見本品費や広告宣伝費、販売促進費(販売費)です(金額にもよりますが)。
棚卸しで気をつけておきたいこと
棚卸しは売れ残りがあればあるほどその手間も時間もかかります。
売れるものであれば安く売る、売れなさそうなら廃棄すれば棚卸しの手間は軽くなります。
そして見本品や試用品、サンプル品は、数えないように売れ残りとは分けておきましょう。
数えてしまうと在庫の数に含まれてしまいますし、後から除くとしても余計に手間がかかります。
そして、間違えて数えてしまわないようにしておくこと。
在庫の場合は、重複して数えたり、数え忘れがないように仕組みを整えておきましょう。
むかし古着を売っている小売店でバイトしたことがありましたが、ホコリアレルギーに悩まされました。
その後の監査、同じお店で今度は棚卸しに立会うといったことがありましたが(マスク着用でホコリはなんとか)・・・。
どちらにしても毎年あるというのは大変です。